2010年05月26日

タブビル最後の旅


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キウンガから約130km北に行くと、鉱山の町タブビルがあります。
今はSVのYさん一人任地となってしまっていますが、過去には3人の隊員が派遣されました。
鉱山会社OTMLの圧倒的な経済力によって全て管理された人口の町です。
酒、ビートルナッツの持ち込みが厳しく制限され、24時間セキュリティーがゲートに待機し、鉱山会社の許可無くしてお店を開くことはおろか、バスの立ち入りまでが禁止されている町です。


そういえば、2010/5/17(だったかな?間違っていたらゴメンナサイ…)の朝日新聞の一面にタブビルのPollutionの記事が載ったそうです。
数週間前に記者とカメラマンの方がキウンガに来ていたのでその方々の記事でしょう。
魚の専門家Yさん曰く、魚の分類が間違っているそうですが…


タブビルには、インターネットを借りに、野菜を買いに、美味しい食事を食べに、涼しい気候で体を休めに何度も通ったものです。
数えてみると計15回以上もお世話になりました。
赴任した頃は片道4時間の道のりを、しかもパプア人との相乗りバスには肉体的にも嗅覚的にもつらかったのを覚えています。
人間の体は何にでも慣れてしまうもので、今となっては何も苦に感じなくなってしまいました。
来るか来ないか分からないバスを5時間待っても耐えられるようになりました。
人間の体ってスゴイですね。日本では役に立たない能力ですが…。バスも電車も絶対来ますからね。(笑)

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そんなタブビルも今回が最後です。
Yさんが会員であるゴルフクラブのテーブルをわざわざ予約までして下さり、ささやかなお祝いを頂きました。
1時間近く待って出てきたメインのFilletステーキに手を付けて、3人とも固まってしまいました。
「うまいっ!!!」
パプアらしからぬmedium rareの最高の焼き加減、ステーキにベーコンを巻くオシャレさ、そして肉の柔らかさ、どれをとっても100点満点です。

仲の良かったメリーがいなくなってしまっていたので、おそらく従業員やシェフを一新したのでしょう。
大満足のディナーでした。Yさん本当にありがとうございました。
残りの任期も体に気をつけて頑張って下さい。
奥様と一緒に、いつか日本で会える日を楽しみにしています。
posted by ゆく at 09:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

子供が生まれました!!


あ、私じゃなくて姉の話です。
5/20午前6時過ぎに2800グラムの元気な女の子が生まれました。母子ともに健康だそうです。
名前はまだ決まっていませんが、おばあちゃんの溺愛はすでに始まってしまったようです。(笑)
早速国際電話して、「生まれてすぐなんて、まだ宇宙人みたいなんじゃないの?」と聞くと、「それがさぁ、めちゃくちゃ可愛いのよ〜!」とのこと。
先が思いやられます…

ちなみに、偶然にも私の兄弟3人とも出産に立ち会っていないおじいちゃん(私の父親)は、今回もしっかり出張で立ち会えなかったそうです。
これまでの仕事も、そこまで出張の多い仕事ではないと思うのですが、そういう星の下に生まれた人なのでしょう。

年明けに1週間だけJICAに認めてもらった一時帰国も、実は全てこれが理由でした。
ま、無事に生まれてくれたのでよかったです。

今日でちょうど帰国まで1ヶ月。
気持ちはすでに就活へ向いている今日この頃の嬉しい出来事でした。
posted by ゆく at 19:00| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月17日

キウンガの都市伝説


私の任地キウンガは、発展が遅れているこの国の中でも、もっとも発展が遅れている地域です。
島の中心部に位置しながら、この州と他の州を繋ぐ道はなく、唯一この州を出入りする方法が飛行機という特殊な環境です。
全ての物資は飛行機か船で運ばれ、まさしく「陸の孤島」です。

そういった環境からか、伝統的な生活を未だにしている人がたくさんいます。町を出ると手作り(かなり繊細)の弓と矢を持って狩りをしている村人や、川でサゴヤシをココナッツの木の皮で沈殿させている姿をよく見かけます。
もちろん電気や水道はありません。その村の言葉しか話さず、英語もピジン語も理解できない人もいます。
識字率などのデータどころか、人口すら数えられたことがありません。おそらく誰も正確な数字を知らないでしょう。

また、比較的安全な村でも、犯罪は発生します。
時には殺人も起こることがあるそうです。時々私の学校でも、町で遺体が見つかったという事件を耳にします。
当然そういった場合には警察が調査し、犯人は司法によって裁かれるのですが、村で起こった場合は少し違います。
基本的には村の掟が優先され、そこに警察や司法が介入することは許されません。
警察もuntouchableな案件として処理するほかないとのこと。


さて、そんな村出身者や生徒達と話をしていると興味深い話が出てきます。
いわゆる伝説と言われる話や、魔術(魔法)が代々語り継がれ今でも存在しているというのです。

聞いた話をいくつか紹介します。私達にはにわかに信じがたい話ですが、彼らは120%信じているので、軽い気持ちで否定すると険悪な空気になるほどです。
起こった出来事は全て真実(だそう)です。


ケース1 行方不明者の捜索
数年前、鉱山会社に勤めていた従業員が港から川に転落し行方不明になりました。大騒動になり、村人総出で捜索したにもかかわらず何一つ発見されませんでした。そこで、鉱山会社はオーストラリアからダイバーを呼び、ヘリコプターまで動員しての捜索に乗り出しましたが何も発見できません。ついに1週間ほど経ち、捜索の打ち切りを考え始めたときにある村人が現れ、こう言いました。「この港は昔精霊が住んでいた丘を削りその上に建てられた。その精霊には昔から数年に一度生け贄を捧げなくてはいけなかった。安否は絶望的だが、私がお祈りすれば体だけは返してくれるかもしれない。」そして彼はお祈りを始めます。すると、今まで徹底的に捜索してきた転落地点と全く同じ場所から体が浮き上がってきたのです。
当然見つかったのは息を引き取ったあとでしたが、そこにいた数百人の群衆の度肝を抜いた大事件になったそうです。


ケース2 浮気男の不審死
キウンガ周辺の村では伝統的に一夫多妻が認められていますが、一方で昔から絶対的に禁止されていた地域もあります。私がいるWestern州の北に位置するSandaun州のとある村で結婚した男がいました。彼の村では一夫多妻が禁止されており、もし破ると呪い殺されるという言い伝えがありました。そんなことを信じていない彼は、Sandaunに妻子を置いてWestern州にやってきました。そこで禁止されている二人目の結婚をしてしまったのです。数年経ったある日、彼が二人目の妻の村にいると、ヒュンッ!ヒュンッ!と音が鳴り始めました。周りにいた人も何が起こったのかとあたりを回していると、突然その男が胸を押さえ倒れ、そのまま亡くなってしまいました。不審に思い村人が彼の胸を開けてみると、体の中から心臓だけが抜け落ちていたのです。言い伝えを知っていた彼らはやっぱり呪いかと思ったそうです。サングーマ(悪霊)が心臓だけを食べてしまうのだそうです。
この手の話はたくさんあり、本当によく聞きます。そのうちの一つを紹介しました。


ケース3 好き薬
これは、特定の片思いをしている異性から好かれる方法です。まず、相手がいつも欠かさず持ち歩いているものを手に入れます。そのものを丸3日間肌身離さず持ち続けます。このとき、本人を含め異性とは会話などの関わりを一切持ってはいけません。そして4日目、呪文を唱えながらそっと手に入れたものを返します。するとそのものを通じて彼女の気持ちがあなたへと傾き、恋愛関係となるでしょう。

肝心の呪文ですが、こっそり教えてもらいました。ただ、言葉と言うより音に近く、何とも表現しにくいものでした。魔法を使うには当然リスクも伴い、失敗すると嫌われてしまうそうです(笑)。
これと同様の話もたくさんあります。顔に塗るとモテモテになるオイルや、女子ドミトリーを全員寝かせてしまう呪文などもあります。
本当に使って成功する人もたくさんいるとのこと。この話を教えてくれた彼も何度か使い、使っている現場も見たことがあるらしいです。

ちなみに、男子生徒とこのような話で盛り上がると必ず私に忠告してくることがあります。彼らは私に、面識のない女性からタバコ(私は吸いませんが…)、アメ、ビートルナッツなどを絶対にもらってはいけないと言うのです。
女性が使う魔法は非常に強力で、これにかかると絶対に抜け出せないらしい。
特に外国人男性はお金を持っているので狙われやすく、本当に注意した方がいいといろいろな人に言われました。
世界にはいろいろな婚活があるようです。あなたも一度試してみてはいかがですか?


あと2,3は書こうと思いましたが、思ったより長くなってしまったのでこの辺にしておきます。続きはもし希望があれば。

「信じるか信じないかはあなた次第」(笑)。でもパプア人は120%信じてます。
posted by ゆく at 18:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月07日

私にとっての圧力

今年の物理の授業も「圧力(Pressure)」の単元になりました。すでにこの学校で3回目です。
個人的なことですが、私はこの「圧力」の単元にちょっとした特別な気持ちを持っています。

大学時代、教員養成課程の中に理科教育実践演習(たぶんあってる…)という授業がありました。簡単に言えば模擬授業ですが、ここで「圧力」の授業を初めて行います。
次に、母校に教育実習へ行ったときの担当単元も「圧力」でした。緊張しながら行った研究授業もこの単元です。
さらに、パプアに来てから最初に教えた単元も「圧力(Pressure)」なのです。
私の人生の節目には必ずこの「圧力」が関わってきます。

偶然と言われればそれまでですが、お陰で日本語でも英語でもこの分野は負け知らずです。
圧力を使った実験で一番有名なのはペットボトルロケットでしょう。
今回も去年に引き続きペットボトルロケットの実験をやりました。
ペットボトル、水、自転車などの空気入れ、化学の実験などに使うゴム栓があれば出来てしまうので非常に簡単です。

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ただし、ここでは空気入れが手に入りにくいです。自転車がほとんど普及しておらず、ボールの空気入れでは十分な圧力を与えられません。しかも中国製です。
去年は電動ポンプを無理矢理繋いで成功しましたが、今年はそのポンプもありません。
何か無いかと探していたところ、タブビルの帰国隊員の家から過去の隊員が残したバイク用の空気入れが出てきました。
これが予想以上の強者で、7気圧まで耐えられます。さすがバイク用ですね。

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そして打ち上げです。
そこら辺にあったトタンと腐ったベンチを使って打ち上げ台を作ります。
中に水を入れ、ゴム栓を繋ぎ中の圧力を上げていきます。
ゴム栓が耐えられなくなって外れ、中の水が噴き出してロケットが飛んでいく仕組みです。
水が多すぎても飛ばないし、少なすぎても飛びません。そこで課題は水と空気の比率をどうするかということにしました。

インパクトもあって、他の先生達も集まってきます。
この生徒達の中から将来先生になって、こういう実験を生徒にやってくれたらいいなと際の最近考えるようになりました。
posted by ゆく at 19:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月05日

最強のアリ

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突然ですが、彼らがパプア最強のアリです。
咬まれるとめっちゃくちゃ痛いです。血が出ることもあります。
最近家の周りに浸食を始め、非常に迷惑していました。

彼らは一般的なアリのように地面を掘って巣を作るのではなく、木の上などに巣を作ります。
葉っぱをその怪力で丸め、蜘蛛の糸のような分泌物で補強し形作っていきます。
ある程度密集した葉っぱがあるとどこにでも巣を作ってしまうため、対策は切るしかありません。

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こういった仕事は生徒達の得意分野です。
家の周りに生えていたハイビスカスやオーキッド(みたいなやつ?)をバッサバッサ切っていきます。
あっという間に切り終わり、“最強のアリ”は巣ごとゴミ溜めの中に投げ込まれました。
お陰で最近は咬まれることもなく安全な生活を送れるようになりました。

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このお仕事はただの建前で、生徒達の本当の狙いはこっちです。
私の家の裏にあるオカリナッツがシーズンを迎えました。
オカリナッツとはこぶし大の赤黒い実で、その中に入っているとても固い種を力任せに砕き、さらに内側にあるナッツを食べます。
確かにミルキーで美味しいですが、種が本当に固く、さらにブッシュナイフの高度な技術が必要なため私は自分では食べません。
実は多くの生徒がこの木を狙っていたらしく、readyになるのを今か今かと待っていたとのこと。
300個くらいはなっていた実のほとんどをここ数日間で食べ尽くしてしまいました。
posted by ゆく at 08:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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